────バンッ!
「うわぁぁぁぁん!!」
屋上まで全速力で走ってきたあたしはその勢いでドアを開けて倒れ込み、泣き叫んだ。
「騒がしいわねぇ……」
「なんや、透かい……」
「びっくりしたー」
「どーしたのトールッ!」
4人もいて聞いてくれるのは昴だけなんて……。さすが王子っ惚れ直しました!
今日、何回惚れ直したか分からないけどね! きゅん!
「何があったのよ」
めんどくさそうに聞いてくる奈々が近くにいたので、勢いよく抱きつく。
「つんちゃんがぁぁ……っ」
「月島先生?」
月島ことつんちゃんとは、数学の先生。鬼で、閻魔で、俺様の、あたしの永遠の敵!
「補習なら終わったばかりでしょう?」
「そう! 終わったよ! 昨日テストしたんだよ!」
それなのに!!
「明日またテストするってぇええ……」
「「ぶはっ!」」と翔太とキョウが同時に吹き出して、あたしは頬を膨らませる。
「それ追加補習やん!」
「よっぽど昨日のテスト、ひどかったんだねぇ」
「頑張ったもん!」
「ナンテンだたの?」
聞いてきた昴を見て、胸を張って自信満々に言った。