「無視しないで下ざいﾞ～」
「……トールが、ワルいもん……」
「謝りますから言ってぐだざいぃいいい！」
びーびー泣くあたし、子供みたい。
「ごめんなさいぃいい」と、まだ理由も聞いてないのに謝るあたしに、昴先輩は少しむつけた表情になる。
「どして、ケーゴのまま？ センパイも、ついたまま……」
「……はひ？｣
予想してなかった言葉に、思わず涙が止まる。
「……ハヤトセンパイと、仲よし？｣
「へ？ ……まぁ、はい？｣
「……ハヤトセンパイには、ケーゴじゃないのに……｣
――はっ！？ え……えっ！？
チラッとあたしを見た昴先輩はやっぱりどこかムスッとしていて、不満げなのに、少し悲しそうで。
「ハヤトセンパイは、ハヤトなのに。なんでオレは、スバルセンパイ？ ……オレとは、なかよくない？｣
かっ……！
可愛いすぎるっ！ 昴先輩、鼻血！ あたし鼻血出そうです！
仲良くない？って何！？ 死にそう！ それで不機嫌ですか！？ 先輩付いてたから、シカトしたんですか！？
きゅーん……て、胸が高鳴る。
きゅーん。
「トール｣
「あ、はいっ！｣
胸キュン世界から連れ戻されて、返事をするあたしに昴先輩は真面目な顔を向けてくる。
