「ほんとにごちそうさまですっ! ありがとうございましたっ」
「……ウン」
隣に並んだあたしに昴先輩は微笑む。けど、何か……元気ない? 何で?
どうしたのかな、と聞こうにも、奈々も翔太もキョウも先を歩いていて聞ける相手がいない。
「あの、昴先輩」
「……」
「……昴先輩?」
「………」
シッ、シカト!?
え、何で!? 聞こえてないのかなっ、うんきっとそう!
「昴先輩っ!」
「………」
シカトだったー!!
隣で、しかも大きめに声を発しても昴先輩は無反応。
あたし何かしたんだ……! 嫌われるようなことしたんだ!
お、奢らせるとかやっぱうざかったよね? ああでも今お金返しても、は?って感じだよね。てか理由それかな!?
なんだろ、分かんない……。泣きそう……てかもう泣いてる!
「……すっ、すばっ……うっ……」
「――!」
やっと目を合わせてくれた昴先輩が、立ち止まったあたしを見て目を見開く。
「トッ、トール!」
焦ったのか驚いたのか、昴先輩はハンカチを出して涙を拭いてくれた。
……ハンカチ持ってる男の人、初めて見ました。
さすが王子です。半端なく、どこまでも王子です。……じゃなくて。



