「そろそろ帰ったかしら。戻る?」
「……うん」
あたしと奈々はお手洗いを出て、昴先輩たちがいる席に戻る。
だけどゆっこ先輩御一行はちゃっかりあたしと奈々が座っていた席に腰掛けて、挙句ケーキまで頼んでいた。
「はぁー……」
奈々……分かるよ。あたしも、溜め息つきたい。
でも今の溜め息は、不機嫌になった時の溜め息じゃない…?
「あ。戻ってきた」
キョウが立ち止まるあたしたちに気付くと、ゆっこ先輩がすかさず笑顔を向けてくる。
「あっ、ゴメンねぇ~!?」
謝るならどけっ! どいて下さいっ!
「ほらお前ら、違う席行けって……」
「いいわよ翔太」
奈々が呼び捨てしたことに、ゆっこ先輩ご一行は驚いたのか目を見張った。
「すいません先輩。背中で潰してるカバン、取って頂けます?」
あたしと奈々のカバンは、ゆっこ先輩御一行に潰されております。
潰されてもあたしのカバンには財布くらいしか入ってないから、別にいいんだけどね。
「やだ~超ゴメ~ン」
「いえ。ありがとうございます」
ゆっこ先輩御一行が奈々に2つのカバンを渡すと、昴先輩が眉を下げた。
「……かえるの?」
何ですかその顔! キュンってします! 鼻血噴射しそう!
悶えながらこの興奮を伝えようと奈々の腕を掴めば、口の端を上げたお嬢様が目に入って一気に興奮が冷める。
な、なんか悪いこと考えてます……?



