プラチナ王子



「苺のミルフィーユッ」
「クラシックショコラくださる?」
「俺レアチーズやな~!」
「モンブランで」
「えと、Fruit tart」

「――以上でよろしいですか?」


返事をすると、店員さんは「少々お待ち下さい」と言って下がっていった。


5人中、奈々以外が甘党だってことが判明したのは今日の昼休み。


学食で新しく出来たカフェに行くんだと話したら、3人とも行きたいって口を揃えた。


だから今この状況なわけだけど……初めて昴先輩と放課後を一緒に過ごしてる! 嬉しい!



「お。ここ平日ランチもやっとる」


翔太がメニューを眺めながら言うと、隣にいた昴先輩が目をキラキラさせる。


「lunch? オイシー」

「ぶはっ!」


キョウが吹き出した瞬間、翔太が昴先輩の頭をメニュー表で叩いた。


「アホ! おいしーは食べた時だって教えたやろ! 美味しそうやっ」

「んん! オイシソーヤ」

「ヤはいらん! 美味しそう!」


……仲良いなぁ。


そういえば、昴先輩たちっていつも一緒だけど、いつから仲良いんだろ。


昴先輩と翔太の漫才のような会話に笑っていると、キョウが笑いをこらえながら口を開く。


「今度来ればいいじゃん。ね?」

「そうですね」

「でも学校あるじゃーん」

「サボればえぇやん」

「そんなことできないっ!」

「あら。透ってばよく屋上でサボってるじゃない」


ちょ、奈々? いらぬことを話してくれるな!!