【短】果たして雨宮はアンニュイなのか





あたしはふふっと笑って立ち上がり、胸を張る。




「あたし、一つ目標があるんだ!」


「目標?」


「そう、この学校の七不思議になろうと思って」



おうおう、良い感じに「訳わかんねえ」って顔してくれるね雨宮よ。

しかもね、ちゃんと設定も考えてあるんだなこれが。



「『雨が降る日の放課後、2-Bの教室の窓際の席に座ってアンニュイな表情で空を見ている男子生徒の前に、女子高生の幽霊が現れる』……どう?」


「それ、俺込みで七不思議になってねえか?」


「うん! 一緒に七不思議化目指そう!」


「訳わかんねえ」



雨宮はやっと、少しだけ表情を崩して笑ってくれた。

そうそう。儚げでミステリアスな表情より、笑った顔の方が似合うよあんたには。




──ねえ雨宮。あたし、もう少しだけここにいてもいいかな。




外を見ると、雨はさっきよりもだいぶ弱まっていた。





-fin-