朝、夜、劣情。

 朔夜のことなど何も知らないのに、朔夜なら失敗はしないという根拠のない絶対的な信頼が、舞緒を過激なプレイに集中させていた。朔夜の行為を制止することもなく静かに傍観している朝葉の存在もまた、舞緒が安心して朔夜に身を預けられる要因にもなっていた。換言すれば、双子の余裕が、舞緒をいつまでも夢見心地にさせているのだ。マゾヒストの舞緒でなければ、きっとこうはならないだろう。

「"Kneel(跪け)"」

 本来であれば初手に使われることの多いコマンドを今になって口にした朔夜が、自らの足で蹴って床に踏みつけた舞緒にその行動を促した。直後に踏まれている圧迫感がなくなり、舞緒は朔夜のコマンド通りにゆるゆると動いて正座をするように跪く。両手も両足も拘束しているため、ぎこちない動作になってしまったが、醜い自分の姿をあの冷え切った眼差しで見下ろされていると思うと熱っぽい息が漏れ、抑えられない興奮に呼吸が荒くなった。

 朔夜の気配を目の前に感じる。心なしか、息遣いも近くなっている。膝を折り、跪いている舞緒と目線を合わせているのかもしれない。アイマスクを身につけているために、瞼を閉じても開いても舞緒の視界に広がるのは闇であり、朔夜と目が合うことはなかった。

 息を乱し、涎を垂らし、次のプレイはどんなものなのか期待する舞緒の制服に、朔夜の手が触れた。言葉もなくボタンを外されていく。その手が進んでいけばいくほど胸は高鳴り、舞緒の脳内は淫らな色に染まっていった。中のシャツにまで手をかけられ、舞緒の頼りない薄い身体が露わになると、間を置くことなく脇腹を強く抓られた。突然襲った痛みに息が漏れ、思わず身を捩ってしまったが、その痛みすらも快楽となっているかのように、舞緒の身体は時折ビクビクと反応していた。抓られる箇所が変わっても同じだった。