朝、夜、劣情。

 手枷。足枷。猿轡。首輪。鎖。ロープ。アイマスク。その他、見たこともないような大人の玩具が複数、舞緒の瞳には映っていた。これらを誰かに使用して虐め倒すことが、朔夜の欲求であり性癖なのだろう。だからこそ、普通の人では堪えられず、誰も彼もサブドロップに陥ってしまったのだと理解した。

 朔夜が用意した道具を見るだけで昂ってしまうくらい目覚めてしまった舞緒は、自らそれを身につけることにすら興奮し、専ら我を失っていった。手枷も足枷も猿轡も首輪も鎖もロープもアイマスクも全て身に纏って朔夜の気を惹こうと自分を装飾する。途中から朔夜が自分を見下ろしていたことにも気づかずに、舞緒は最後に後ろ手で手枷をつけようと試みるが、こればかりはうまくいかなかった。いくら躍起になろうとも、舞緒の望む結果は得られない。

 仕上げをしなければ、サディストである朔夜の興味を惹くことなどできないと焦燥感を抱いてしまう中、突然、息が止まりそうなほどの衝撃を背中に食らい、その勢いのまま、舞緒は床に上体を押し付けられた。何の前触れもなく与えられた暴力に、思考が遅れる。未だ手枷をつけられずに自由が利いている両手を掴まれ、誰かに易々と拘束される。荒々しく、乱暴だった。間違いなく、朔夜だった。朔夜以外、考えられなかった。

 朔夜に蹴られた上に踏まれている舞緒だったが、それを理解したとて、やはり混乱することなどなかった。寧ろ陶酔し、抜け出せないほどの愉悦を感じていた。これは、朔夜が自分に興味を持ってくれたことによる結果だ。コマンドに従った褒美だ。舞緒の胸は熱く震えた。既に理性は飛んでいた。