あめだまの色を探して

ダメ元でお願いしたのに…

まさかの結果に戸惑いを隠せない。

「何驚いてんの。そっちが頼んできたじゃん」

「……仰る通りです」

「早くとってきなよ。
‘大事な予定’あんでしょ?」

なんでそんな優しいの…

彼はもう一度私に傘を差し出す。

「俺は別に濡れてもいーから。」

「あっ、ありがとうございます…
あの連絡先…」

この傘を返すには、春休みだから当分会えないし、連絡先を交換しないといけない。

…学年一の美少女と言われている私と連絡先を交換できるなんて、光栄なことだねほんとに。

「あーはい、これ俺のQR。急いでんでしょ?追加だけすれば?」

「あっ、ありがとうございます」

そう言い、もたもたしながら連絡先を追加する。

和泉(いずみ)…くん?

そこにはそう名前が表示されていた。