あっ!

そんな時、1人の男の子が傘を取り出した。

しょうがない、恥を捨てて話しかけに行こう…

「あ、あのっ…」

「何?」

「…っ」

かっ、かっこいい…
なんか見たことあるし、同い年かな?

「初対面ですみません、傘貸してくれますか?」

あーもうやだ…
なんで傘わすれたんだろう

すみません、ほんとに。

初対面でこんなことを言うなんて、メンタルがずたぼろになりそうです。

「……傘?」

その男の子は、目線を傘に落としてそう聞き返した。

「はいっ、あの、この後大事な予定があって濡れなくて…絶対返すので…」

「ん」

「え?!」

彼は私に傘を差し出した。