「あっ隼斗くん!
ごめん待った?」
翌日11時、待ち合わせ場所の駅には昨日とは少し違う姿の彼が立っていた。
「おはよー結茉ちゃん
全然待ってないよ俺もさっき来たところ」
「おはようございますっ!
そっか、よかった」
ここで、今日一の満面の笑みを浮かべる。
「じゃあ行こっか」
「はいっ」
そう言って、隼斗くんの少し後ろをついていく。
「それにしても、やっぱ私服だと雰囲気変わるね〜」
少しの沈黙を繋ぎ止めるかのように、隼斗くんが口を開いた。
「えーそうかなぁ?」
あざとさ満点、ここは少し伏せ目で照れながら笑う。
「うん。かわいい」
「へっ?!」
まさか、こんなにスマートに、いきなりかわいいなんて言われると思っていなかった。
ちょっと、心構えなしのイケメンからの「かわいい」は、心臓に悪いですよ!!
「ははっ、ごめんね急に」
「えっ、あっ…
急すぎますよ!!心の準備が…」
「俺はこっちの方が好きだな〜
だって、結茉ちゃんが今日俺とデートするために考えて着てくれた服だもん」
「えっ…まっ、まあそうですね?」

