「次高1になります、羽月結茉です。今日はよろしくね」
よっし、みんな少し頬が赤い。
鉄壁、和泉くんを除いて…
「あっ、次高2の小野隼斗です、よ、よろしく…!」
あれ、結構かっこいい。
焦げ茶色のふわふわした髪の毛に、くりっとした目。少しかわいさも残っているけど、全体的に凛とした顔立ちで大人っぽさもある。
一つ年が違うだけなのに、すっごく大人に見えた。
私の可愛さに動揺しちゃったよね?ごめんね。
目があったので少し微笑んでいた。
その後の自己紹介は、ずっと小野くん…が話しかけてきて記憶にない。
そもそも、他人の自己紹介を聞くのは苦手だから、ちょうどよかったのかもしれないけど。
「ゆ、結茉ちゃん…」
少し控えめに小野くんが言う。
「なんですかっ?」
あざとさ満点、悪気のない純粋スマイルです。
「今日はなんできてくれたの?」
なんだ、そんな質問か。
「んー和泉くんに誘われたから!人数調整で来ました」
ここは、嘘つく必要ないからね。
さあ、どうくる?

