超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?


「褒めてくれてありがとう。安心したっ」
「……ん」

少し視線が泳いだ後。レンジが鳴る音を聞き、席を立つ四条くん。氷上先輩のカレーも相まって、部屋の中はみるみるうちにカレーのにおいで充満した。

「カレーの匂いがつかねーうちに行くわ」
「あと5分まってくれたら俺も一緒に行けるよ。生徒会長と一緒の方が、翼くんも心強いでしょ」
「ぬかせ。お先」

さっさと出て行った白石くんに「可愛くない新入生だなぁ」と氷上先輩が笑った。ナツ校は茶色のブレザーだけど、フユ校は青みがかった学ラン。どっちもカッコいい!

「あ、私も早く行こうって決めてたんだ。白石くん、待ってー!」

ナツ校とフユ校は隣同士に建っているから、校門の前までは一緒に登校できる。早く行って友達作りたいけど、一人で学校に行く勇気はない……。だから校門まで、白石くんと一緒に行けたら心強いな!

玄関にある鏡で、急いで全身をチェックする。そして先を歩く白石くんを追いかけた。ピカピカの鞄を持ち、真新しいローファーをはく。すると、本当に中学生になれたんだって実感がわいた。憧れのナツ校、嬉しいなぁ!

「白石くん、待って~!」
「他校なんだから一緒に行く意味ねーだろ」
「そう言わず、校門まで一緒にいさせて!お願い!」

小学校で一緒だった子はいないし、心細さマックスなの!
あまりにも必死な私を拒否できなかったのか、若干引いた白石くんは「勝手にしろ」と再び歩き始める。私たちが住む特別寮は、本来の寮館とは少し離れている。だから寮生と会うことなく、しれっと登校する人たちに紛れることが出来るの。
でも……。

(白石くんがめっちゃイケメンってこと忘れてたー!)