高校デビュー、気合入れすぎちゃいました?!(仮)

 「おーい?どしたのー?」

 っと、いけないいけない、ジロジロ見過ぎちゃった。

 「あ、ごめん、急に話しかけられたからちょっとびっくりしちゃって…。」

 「わー、ごめんねぇ、どうしても話してみたくなっちゃって!
 えっと、小野寺茜ちゃん、だよね?茜ちゃんって呼んでもいい?」

 「もちろんだよ!えっと…」

 名前。名前なんだっけ。凪のしかまともに聞いてなかった…!

 若干のパニックに陥る私を見て、察したのか可愛い系の男の子はクスッと笑って言った。

 「めちゃくちゃ緊張してたもんね〜。覚えてなくてもしょうがないよ、しかもまだ初日だし!
 僕の名前は中原蒼汰(なかはらそうた)。
 これからよろしくね!」

 うぉぉ…優しい…。

 「こちらこそよろしく、中原くん。」

 「あ、蒼汰でいいよ〜。僕も茜ちゃんって呼ぶし…。」

 「あ…じゃあ、蒼汰くん、でいいかな?」

 「ん、それで!」

 記念すべき、友人二人目が入学して初日で出来てしまった…!

 嬉しくて思わずへにゃりと頬が緩んでしまう。

 「っ!」

 あれ、なんか中はr…じゃない、蒼汰くんが目を見開いてる…?けど…

 「どうしたの?」

 「や、なんでも、ない。」

 「そっかぁ。」

 ならいいけど…。

 「茜ー!そろそろチャイム鳴るぞー!」

 と、凪。そういえばさっきから横にいなかったな。

 「じゃあね、蒼汰くん!」

 「あ、うん、またね。」

 バイバイと手を振って自分の席に走る。

 「凪、いつの間に自分の席に…。」

 「いやぁ、お二人さんが楽しそうだったからさぁ〜。」

 凪はそう言いながらめちゃくちゃニヤニヤしている。

 「いやいや、全然そんなんじゃないから!」

 「本当〜?」

 「本当だって!」

 キーンコーンカーンコーン

 チャイム君、君は天才だ。タイミングが天才すぎる。