泣き出してしまいそうな声と表情で廊下を見つめている女子生徒がいた。小町の胸がトクンと音を立てる。目の前にいるのは紫だった。
「どうしたの?」
関わりたくない、友達になりたくない、そんな思いがありながらも小町は紫に話しかけていた。紫はバッの勢いよく顔を上げる。紫の目には薄らと涙があった。
「キーホルダーどこかに落としちゃったみたいで。熊のキーホルダーなんだけど」
「もしかしてこれ?」
小町はポケットからキーホルダーを取り出す。刹那、紫の顔に花が咲いたような笑顔が浮かぶ。
「それ!それだよ!」
「伊勢さんのだったんだ」
「ありがとう!えっと……」
「泉小町」
「泉さん、本当にありがとう。これ貰ったものだから見つかってよかった」
誰がこのキーホルダーをプレゼントしたのか、彼女の色付いた頰を見れば嫌でもわかる。小町は胸の痛みを覚えながら「大事なものなんだね」と言い、彼女にキーホルダーを渡す。
「どうしたの?」
関わりたくない、友達になりたくない、そんな思いがありながらも小町は紫に話しかけていた。紫はバッの勢いよく顔を上げる。紫の目には薄らと涙があった。
「キーホルダーどこかに落としちゃったみたいで。熊のキーホルダーなんだけど」
「もしかしてこれ?」
小町はポケットからキーホルダーを取り出す。刹那、紫の顔に花が咲いたような笑顔が浮かぶ。
「それ!それだよ!」
「伊勢さんのだったんだ」
「ありがとう!えっと……」
「泉小町」
「泉さん、本当にありがとう。これ貰ったものだから見つかってよかった」
誰がこのキーホルダーをプレゼントしたのか、彼女の色付いた頰を見れば嫌でもわかる。小町は胸の痛みを覚えながら「大事なものなんだね」と言い、彼女にキーホルダーを渡す。


