高校に入学してすぐ、小町は紫に恋をした。しかし彼女は別の人ーーー男性が好きである。紫が気になる男性の話を友達としている時、その瞳は輝いており、恋をしているのだと嫌でもわかった。それが憎らしく、それと同時に愛おしく思う。
(この恋は実らない。だから関わりたくない)
紫を小町は避け続け、気が付けば二年生になっていた。小町はカルタ部、紫はチア部と全く接点がないまま日が過ぎていく。幸いなことにクラスも違った。
六月に入ってしばらく経った頃、小町は放課後廊下を歩いていた。今日は部活はない。図書室に行こうと彼女は思っていた。
「ん?」
小町の視界に何かが映る。廊下に何かが落ちていた。小町は近付き、落ちているものを拾う。それは熊のキーホルダーだった。誰かが落としたものらしい。
「どうしよう……。とりあえず図書室に行ってから職員室に届けようかな」
小町はそう決め、ポケットにキーホルダーを入れて図書室へと向かう。図書室まであと少しという時だった。
「ここにもない……」
(この恋は実らない。だから関わりたくない)
紫を小町は避け続け、気が付けば二年生になっていた。小町はカルタ部、紫はチア部と全く接点がないまま日が過ぎていく。幸いなことにクラスも違った。
六月に入ってしばらく経った頃、小町は放課後廊下を歩いていた。今日は部活はない。図書室に行こうと彼女は思っていた。
「ん?」
小町の視界に何かが映る。廊下に何かが落ちていた。小町は近付き、落ちているものを拾う。それは熊のキーホルダーだった。誰かが落としたものらしい。
「どうしよう……。とりあえず図書室に行ってから職員室に届けようかな」
小町はそう決め、ポケットにキーホルダーを入れて図書室へと向かう。図書室まであと少しという時だった。
「ここにもない……」


