家に帰ってから、やっと怒りという言葉を人生で初めて理解した。



許せないーーー許せない!!!



初めての恋人を奪われて、正気では居られなくなった私の心。



最初は勿論、両方合法的に殺す方法を考えたのだがーーーさすがに法を犯すのは家族に迷惑がかかると躊躇した。



何かいい方法で、懲らしめるというか地獄に落とせないかなと巡らせていた。



矢先にクラスメイトのラインから連絡が回ってきた。


個人的に仲良くしている、「光宗」というやつからだ。



別に、浮気をしているわけじゃない。



光宗は確かに男だが、ちゃんと距離をわきまえているし、何より顔がタイプではないから恋愛なんて二の次だ。



ーーーなぁ、死神様ってしってる?



こんな文章を送ってくる変な奴でもあるから、若干引いているのだが。



クラスの立ち位置は上の方だから、連絡は返しておいたほうがいいのだろう。



ーーー死神様って?



ーーー自分の命を引き換えに、願いを叶えてくれる存在で、儀式にあるらしい。


自分の命を引き換えにか………。



ーーーどんな願いでも叶うの?


ーーー多分そうなんじゃね?笑


ここで私は何処か心の中で、惹かれるものがあった。



今の時代はネット社会。


調べれば出てきた。



材料は、自分の髪やら、爪、そして魔法陣などーーー禍々しいものばかりだった。


だけど物の数分で完成する。


「こんなので、本当に来るの?」



口につぶやいてしまったが、そんな悠長な事は言っていられない。



「死神様、死神様、おいでなさってください」