『突然どうしたの、お姉ちゃん。』

『別に突然じゃないわよ。前々から思ってたのよね、望羽はもったいないって。』

『はぁ……。』

『女子力あげてみなよ。それにあんた言ってたじゃん、モデルの"ゆりりん”みたいになれたら……って。』

 ゆりりんみたいに……?

 ピクッとその名前にあからさまな反応を示した私は、ふわりとゆりりんを思い浮かべた。

 ゆりりんとは、私が押している大人気読モ。可愛さと美しさを兼ね備えているゆりりんは全女子の憧れで、私も例外じゃない。

『女子力上げればゆりりんみたいになれるわよ〜? 筋トレだけじゃなくって、最初はメイクとか服装とか気をつけてみて――』

『その話詳しく。』

『おおっと食いついたね〜。』

 ゆりりんの名前を出されれば、ゆりりんみたいなかっこかわいい女性になれるなら、俄然女子力を上げたくなる。

 あの後お姉ちゃんからあーだこーだと言われたけれど、正直私は手っ取り早い情報を知りたかった。

 一日でも早くゆりりんみたいに……って抱く私にとって、時間がかかる事はやりたくないってのが本音で。