【After story】傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「そうだ、結蘭(ゆらん)ちゃんたちも誘おうよ」

「ダメに決まってるだろ」

「え? なんで?」

「……今日はダメだ」

「わ、わかった……?」



士綺くん、なんか緊張してる……?

目が少し泳いでるし、何かあるのかな……?

それに、結蘭ちゃんたち誘っちゃダメって?

よくあることだけど、ここまで真剣な表情で否定されたのは初めてだ。

不思議に思ったけど、気にしないことにした。



「今日はドライブしよう」

「えっ、ドライブ!? やったぁ」



士綺くんは運転免許を取って、とてもとても高い車をご購入された。

なんでもよかったらしいけど、『椿月に合う車を選ばないと』とか言ってなんとも高い車を買っていた。

そのときはお金の無駄だってこっぴどく叱ったけど、実際乗り心地も良くて気に入っている。



「はぁ〜……風気持ちいぃ〜」



私は助手席に乗って窓を開けた。

今日はちょうどいい快晴で、そこまで暑くもない。

綺麗な空に、私は見惚れていた。