「椿月、起きろ」
「うーん……」
優しくて低い声。
私はその声にゆっくりと目を開けた。
するとその瞬間、チュッとリップ音が頬に。
「士綺、くん……?」
隣に寝ていた士綺くんは私より早くに起きたのか、パッチリと目を開けていた。
「も〜……寝起きにキスしないでっていつも言ってるじゃん……」
私は唸りながらモゴモゴと布団に潜った。
すると、士綺くんが無理やりキスをしてきた。
「起きないのが悪いんだろ。早く起きるぞ」
「んー……あと5分……」
「ダメだ。ほら」
駄々をこねる私を無視し、士綺くんは布団を引っ張り剥した。
「なんてことするの〜……。私まだ寝たいよ」
「もう9時だ。今日は出かけるって言っただろ」
「なんで〜……? 今日は休みだし、二人でお家いよーよ……」



