しっかり夕食を食べると、お父さんとお母さんから話を聞く。

尊は、私の知らないうちにお母さんにメッセージを送っていたのだと言う。

『蘭と一緒にいます。そばについて、必ず無事に帰します』と。

更に自分のスマートフォンのGPSを、アプリで共有出来るようにもしてくれたらしい。

(尊、いつの間に…)

また込み上げてくる涙を、私は必死にこらえた。

そして私も、自分達の身に何が起こったのかを包み隠さず話した。

お父さんもお母さんも、もちろんお姉ちゃんも、じっと私の話に耳を傾けて、全てを信じてくれた。

「尊くんなら大丈夫。必ず無事よ。とにかく今は身体を休めて」

お姉ちゃんに言われて、布団に並んで横になる。

お姉ちゃんは今朝、お父さん達が病院に迎えに来た時に私のことを聞いたのだそう。

一旦帰宅した後、私を追いかけようとしたお父さんに、自分も行く!と言って譲らなかったらしい。

「もうね、『私を置いていくなら、また倒れちゃうからね!』とか言っちゃった」

そう言って、お姉ちゃんはフフッと笑う。

「蘭、私の為にいつもありがとう。だから今回は、どうしても私が蘭を助けたいの。明日、朝が来たら一緒に尊くんを探しに行こう。必ず見つけ出そうね」

「お姉ちゃん…」

また目を潤ませる私の頭を、お姉ちゃんは布団から手を伸ばして、ポンポンと優しくなでてくれた。