王城の背中を見下ろす場所にある草原に、今まさに四人の男達が到着した。
 その足下では、風になびく草の一本一本が赤に染まっている。
 
「こ、これは……いったい……?」

 目の前の光景に唇を戦慄かせるのは、イヴから伝言役を頼まれたジュニアだ。
 その声に気づいて振り返ったイヴもまた、真っ赤である。
 彼女は、大きく両目を瞬かせ……

「あれっ、ジュニアさん? ウィリアム様も兄さんもマンチカン伯爵閣下も、どうなさったんですか?」

 口元からカップを離して、そうきょとんと首を傾げた。



「──って、決闘は!?」
「「「けっとう?」」」