「おいおい……マジかよ。これ、さっきのやつより凄いぞ。一体、どんだけ神様に愛されてんだ?」

 思わずといった様子で声を漏らすリエート卿は、『今年の奴らはすげぇーな』と感心していた。
────と、ここで光は収まる。
それに比例して、湧き上がってきた力も消えてしまったが……不思議と満たされている気分だった。
『さっきの万能感は一体……?』と思案しながら目を開けると、呆然と立ち尽くすニコラス大司教の姿が目に入る。
突然の光に驚いたのか暫し放心し、おもむろに顔を上げた。

「これは……」

 『信じられない』とでも言うように(かぶり)を振り、ニコラス大司教はたじろぐ。
尊敬と畏怖の入り交じったような目でこちらを見つめ、硬直した。

「ニコラス大司教」

 さすがに見ていられなかったのか、リエート卿が咎めるような鋭い声で名を呼ぶ。
すると、ニコラス大司教はハッとしたように目を見開き、慌てて姿勢を正した。
気持ちを切り替えるようにコホンッと一回咳払いし、こちらに向き直る。