作戦、大成功ね。まさにスマートな悪役だったわ。
きっと、ルーシーさんも褒めてくれる筈。
まあ、遠回しとはいえ相手に暴言を吐くのは心苦しかったけど。

 自分の席へ戻る私は、ズキリと痛む()を手で押さえる。
と同時に、少し言い過ぎてしまっただろうかと悩んだ。
先程の発言は『華やか=派手=奇抜』という意味合いで、言ったのだが……人様の外見を貶すのはやはり、いけないように思える。
自分の本意ではないにしろ、下品な行いだ。

 次から、容姿関係の嫌味はなしにしよう。
あと、言い方ももっとマイルドにして……ルーシーさんが傷つかないよう、配慮するのよ。

 ────と自分に言い聞かせ、私はスマートな悪役になり切ることを徹底した。