僕は椅子から倒れた時に頭を打ちつけて、どうやらタンコブが出来たみたいだ。それ以外の部位は強く蹴られたから身体中が軋きしむような痛みを伴ともった。
ヨロヨロと立ち上がり、頬ほおについている金太の唾つばを拭ぬぐい、僕は鞄から出した筆記用具と教科書とノートをしまい、その場から結局けっきょくは逃げた。
僕は姉のあの時の言葉を否定するみたいに「どうせ…」と不意ふいに心で思う。
───どうせこの現実は変わらない。
僕は下駄箱でシューズからスニーカーに履き替えると前のめりに崩れて、今度は歯を食い縛るのをやめて、我慢せずに込み上げる感情のありのままに心を委ゆだねて溢れる涙と掠かすれた声を上げて泣いた。
そして───「消えたい」と切せつに願う。
終わらせる勇気がないのに、終わらせようと考えたら気持ちが楽になる。
逃げようと考えたら気持ちが楽になる。
立ち向かおうと勇気を振り絞ったら現実は僕をイジメへと誘いざない、嘲笑と暴力が僕を苦しめる。
亡くなった家族のことを言われて何も言えない自分が嫌いで、言葉の一つ一つに心が痛む。
…………僕は…最低だ……。
外へと出ると雪が僅わずかに積つもっていた。
白く塗られていく、このゆらゆらと降る涙の結晶が白くアスファルトの大地を冷たい白銀はくぎんへと変えていく。

