「お前って、家族含ふくめて弱いよな。
お前の姉ちゃんは自殺。お前の父親も自殺。お前の母親も自殺。
お前も自殺しないの?」
と、言いへへへと笑う金太。僕はその言葉に、この暴力に、この嘲笑に、それに対して何も出来ない。
抗あらがう勇気も立ち向かう強さもない。諦あきらめてるんだ。
この状況じょうきょうでお姉ちゃんの言っていた言葉でわかり合おうとする意思は無意味むいみであり、この嘲笑と暴力を長引ながびかせる行為こういなんだ。
でも、原因は僕にあるのかもしれない。
だって…
僕は臆病だから───
もう…イヤだ。もう終わらせよう。
金太が足を退どけるとしばらく金太の仲間達が僕の頭以外の身体の部分を蹴り、それが終わるのを待った。
もう肉体的に痛くない。
ただ…ただ……心が痛い。
姉と両親のことを残酷な形で言われ、僕は立ち向かっても敵わないと心のどこかで思い、結局は姉の言葉を否定した。
そして、どれだけ残酷な言われ方をしても言い返すことも出来ず、父さんと母さんまで貶けなされても僕は無力むりょくにも何も出来ない。
僕はもう終わらせるとしか考えてない。自分のことしか考えてない。
ようやく蹴りが終わると次の数学の教師が現れ、その現状を見ているのにも関わらず、まるで僕が見えないように授業を始める数学の教師。
金太はまた一蹴ひとけり僕に加くわえると唾つばを僕の顔に吐きかけて、自分の席へと戻った。

