言の葉は



僕は紙を持つ手が震えてしまい、隣の女子はそれを見て「キモい」と言い、授業中にも関かかわらず立ち上がり、僕から逃げる。


教師はそれを見ているのに自分の業務ぎょうむである授業を全まっとうしている。


僕はうつ向いて、歯を食くい縛しばった。

苦しい。


心が痛い。


でも、ここで逃げたなら、姉の綺麗事きれいごとの言葉を否定してしまう。

そして、かつての自分の純粋な言葉も全すべて否定してしまう。



だから僕は逃げたくない。

すると背中に頭に小さな痛みが鈍にぶく当てられる。


僕の後ろの席せきの男子と女子が消しゴムをちぎって投げて笑っていた。





僕は消えたい───お姉ちゃん、ごめん。



僕はお姉ちゃんの言葉を否定してしまう。





机に額ひたいをつけて、絶え間なく溢あふれる大粒おおつぶの涙。


どんなに我慢がまんしても溢あふれてくる涙と強く堪たえる感情に僕は知らぬ間まに歯を大きく噛かみ締しめた。



苦しい……


痛い…。