フッと現実に戻る。
保健室に歩を進める足は踵きびすを返かえして、嘲笑と暴力が僕に向けられる教室へと向かう。
ただ、僕はまた歩を進めるたびに震えていた。
茜の言っていた言葉が僕を突き動かした。
毎日続く学校生活の中で、僕にとって茜との記憶が大切で、今は亡き男勝おとこまさりな姉の言葉を信じて突き進む。
それは亡くなった姉との記憶を否定ひていしたくなかったからだ。
1年A組のクラスは授業中にも関わらず賑にぎわっている声が聞こえた。
僕は教室の戸との前に立ち、嘲笑と暴力の待つ戸を開けた。
顔がひきつりそうで身体全身は頭から足先まで震えていて、すごく恐こわい。
僕の姿が教室に現れると教師と生徒の男子と女子は一斉いっせいに僕を無言で見ると、教師は僕から目を背そむけ、何事もなかったかのように授業を続ける。

