何か、前髪がおかしい気がする
チーク濃いかな…
あ、後ろ髪はねてる


朝から、鏡の前から離れられない私。

そうこうしてるうちに

真美との待ち合わせ時間が迫りつつあり
慌てて靴をはき、待ち合わせ場所へと走り出す。


ほんとは車で行きたい所だけど
式典会場は多分ごった返しているという想定で
真美とバスで向かうことにしたのだ。


「あーっ!真矢!もうっ
ギリギリだってば」

少し焦ったような表情の真美が
手を振りながら叫んでいる。


息が途切れ途切れな私は

「ご、ごめ…はぁはぁはぁ」


言葉よりも息切れが激しい。


座り込もうとする私に


「ほら、バスきたよ
もう…ほんとギリギリー」


呆れたように笑っている真美。