めぐるが見て欲しいというだけのことはある。 月明かりに照らし出された二階建ての長屋は風情があるし。 すぐ側の川に、窓から釣り糸を垂らしたりしたら、楽しそうだ。 そう田中が思ったとき、2階の窓からめぐるが顔を覗かせた。 「あっ、田中さん」 と手を振ってくる。 いや、振らなくていいし。 身を乗り出さなくていい。 あっ、とか言って、今にも川に落ちそうなキャラだから、と木製の手すりに手をかけているめぐるを見て、ハラハラする。