「その人は、将棋の棋士っ。 『盤上の死神』って言われてる天才棋士だよっ」 振り向いためぐるは、ええ~? と眉をひそめて言う。 「でも、あの人、着物もスーツも着てなかったし。 小脇に将棋盤を抱えてもなかったよ」 棋士への偏見がひどい! ふだんから、そんな格好してるわけない! 充則とふたり、めぐるの棋士のイメージに驚愕する。