そんな微妙な状態で次の対局までの時間を過ごしていためぐるのもとに、とある地方の老舗ホテルから電話がかかってきた。
「天花めぐるさんでいらっしゃいますか?
ホテル雪花風月です。
お世話になります」
「あっ、お世話になりますっ。
天花めぐるですっ」
よくこの番号がわかりましたね、と言うと、
「すみません。
どうしてもめぐる先生とご連絡とりたかったんですけど。
フランスの方にはもういらっしゃらないみたいだったので」
と言われる。
「あっ、すみません。
あっち、引き払ってしまったので」
「それで、この前、若林さんのところの雑誌に出られてたから、若林さんに訊こうかと思ったんですが。
あ、うちも以前、若林さんに取材受けてたんで。
若林さんの連絡先は知ってたんですよ。
でも、若林さん電話に全然出られなくて」
……若林~。



