「いや、黒木田も自分が勝ったら、お前をもらうと言っている」
会ったことないんですけど、その人っ。
「お前は好みじゃないと言っていたんだが。
自分が苦労して勝って、久門がお前を手に入れるのは気に入らないと――」
好みじゃない人にもらわれるの、嫌なんですけどっ、とめぐるは思わず、田中の手を握る。
「勝ってくださいっ、田中さんっ」
田中は手を引きかけた。
あ、なんか、図々しいこと言っちゃったかな。
まあ、私のこと関係なしに、竜王戦は勝たなきゃいけないんだろうけど。
そう思ったとき、ちょっとだけ赤くなっているようにも見える田中が道向こうの街灯を背に言う。
「……勝つよ。
だが、ひとつ気がついたんだが」
なんですかっ?
とめぐるは身を乗り出す。
会ったことないんですけど、その人っ。
「お前は好みじゃないと言っていたんだが。
自分が苦労して勝って、久門がお前を手に入れるのは気に入らないと――」
好みじゃない人にもらわれるの、嫌なんですけどっ、とめぐるは思わず、田中の手を握る。
「勝ってくださいっ、田中さんっ」
田中は手を引きかけた。
あ、なんか、図々しいこと言っちゃったかな。
まあ、私のこと関係なしに、竜王戦は勝たなきゃいけないんだろうけど。
そう思ったとき、ちょっとだけ赤くなっているようにも見える田中が道向こうの街灯を背に言う。
「……勝つよ。
だが、ひとつ気がついたんだが」
なんですかっ?
とめぐるは身を乗り出す。



