同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました

 その表情に気づいたように田中が言う。

「そういえば、いろいろ言っていたのに、お前の菓子なしで勝ってしまって申し訳ない」

「い、いえ、そんなことは別にいいんですけど」

 私が勝手にお菓子を作ってあげたいと思ってるだけですから……。

 マンガやドラマみたいに、食べ物ですべて解決なんてことに、世の中はならないし。

 でも、ちょっとでも、頑張ってる人の気分転換になるお菓子が作れたらな、とは思っている。

「――第二局もお前のために勝つ」
「えっ?」

 どきりとしためぐるだったが、

「……賭けた覚えはないんだが。
 なぜか竜王戦にお前を賭けていることになっていて」
と眉をひそめて田中は言う。

 対局のときと同じに、悩んでいる顔も美しい田中の顔を眺めながら、めぐるは言った。

「ああ、久門さん……」