同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました

 二人でぺこりと頭を下げると、彼もまた少し(いぶか)しげな顔をしながらも、下げてきた。

 そのまま行ってしまう。

 後ろ姿を見送ったあと、雄嵩は慌てて店の扉を開け、飛び込んだ。

「姉貴っ。
 今の人、うちに菓子、買いに来たのっ?

 なんでっ?」

「えっ? なんでって……
 和菓子屋だからでは?」

 姉にしては珍しく、そりゃそうだ、という答えが返ってくる。

「お母さーん、大和芋いっぱい使ってるやつ、売り切れたー。
 左から2番目のやつー」

 そう言いながら、めぐるは奥に入っていって、

「いい加減、商品名覚えなさいっ」
と怒られていた。