同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました

「あのとき、激戦の末、勝ったから、俺にとっては縁起のいいスイーツだ。
 それに、確かすごく美味かった」

 そこで、カツ丼が来た。

 蕎麦屋のカツ丼は、蕎麦用のじっくり寝かせた調味料、かえしや出汁を使って作ってあるので、美味い。

 しばらく二人とも、黙って食べた。

 対局と同じくらい、カツ丼にも集中する。

 そのあとは、店を出て、将棋会館まで歩きながら、たわいもない将棋仲間の話をした。

 黒木田にとっては、勝ったらめぐるをもらうと言ったことなど、どうでもいいことのようだった。

 まあ、どうせ、久門が言った適当な話に乗っかってみただけだろうし……と気を落ち着けようとしたが。

 落ち着かない。