同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました

 橋を渡る前、ふっと田中がこちらを振り返った。

 いきなり、目が合って、めぐるは戸惑う。

 なにか言わなければっ、と焦った瞬間、

「久門さんは……」
と言ってしまっていた。

 インパクトの強い人だから、つい、名前が出てしまったのだろう。

 だが、田中は、……なぜ、久門、という顔をしていた。

「あの~、その、久門さんも実はスランプ気味なんでしょうかね?
 それで、なにかのきっかけになればと思って、私を賭けるなんて言ったのでは?」

「どうだろうな」
と感情の(うかが)えない声で言われ、

 まあ、田中さんにとっては、私の結婚なんて、どうでもいいことか、と思う。

「……巻き込んでしまってすまないな」

「あー、いえいえっ。
 でも、あんなに繰り返し、『結構だ』って、田中さんに言われると。

 私がいらないと言われてるみたいで、ちょっとあれなんですけど」
と言って、めぐるは、はは、と笑ったが、田中は笑わなかった。