「フランス帰りのめぐるん先生の横に立って、違和感ないのは、お洒落な僕ですよっ」
熱愛報道の相手というのは、そういう基準で決まるものなのだろうか……、
と思いながら、めぐるは他のお客さんの注文をとっていた。
「久門先生より僕ですっ」
と主張する若林に、
田中さん、まるきり外されてるな~、と思う。
田中さん、お洒落でないこともないと思うが。
無骨な感じだが、自分に合う服を着ているし、と思ったとき、別の常連さんがやってきた。
手には、またあの雑誌がある。
「見たよ~、めぐるちゃん。
愛の逃避行~」
いや、逃避行って。
空港にいただけですが。
私はどこに逃げたんですか。
なんのためにどこに、と思いながら、カウンターの横を通ると、ルカが溜息をついて言う。



