「それで?」 二日後の夜。 狭い自宅の台所でお菓子の試作をしていると、後ろから雄嵩が訊いてきた。 雄嵩は、どうせまたすぐ引っ越すからと三段ボックスに適当につめていた本を引っ張り出しては眺めているようだった。 「田中さんとは、結局どこ行くの?」 「ああ、私は地蔵を縛りに行きたいんだけど」 なんだって? と雄嵩は顔を上げてこちらを見た。 「地蔵を縛りに行こうかと思って」 とめぐるは繰り返し、 「いや、聞こえなかったわけじゃないから」 と言われてしまう。