迷路の先には君がいた


「そういうことじゃ、ないような……」

「じゃあ、芙蓉からキスしてくれたら特別にそのデザイナーを紹介してやる」

 最近の鷹也は何かというとそれだ。何か頼むたびにキスをねだる。

 「ねえ、鷹也。必ずキスと引き換えとか大人げないわ。仮にも日本を代表するツインスターホテルの若き獅子と言われる人が普段はこんなだって知られたら……」

「恥ずかしがりの芙蓉が誰かに言うわけない。ほら早くしろ。どうするんだ?紹介してほしいんだろ」