「彼女を拘束していたこと、世間に内密で進めていたこと。知られたらどうなるでしょうね。御上はもう助けてはくれませんよ」
三枝は身を乗り出して、貝原に静かに言った。
「貝原さん。あの時スワンを救って頂いたこと感謝しています。お蔭様でオリンピックも成功しました。スワンにお泊りのお客様もご満足された。すべてあなたのお陰です。ただ、スワンのオーナーを従業員として拘束していたのは人権問題です。上のほうも知ったらいい顔をしないと思います」
「三枝さん。あんた……」
「私はね、元々スワンの亡くなられたオーナーと友人でこの話に乗ったんですよ。芙蓉さんの覚悟も知っていましたから黙っていましたが、彼女を救えるなら御上なんて関係ないんですよ。私個人の問題だ」



