迷路の先には君がいた


「では、サムエルグループをうちが買収後そちらに差し上げる書面、それとスワンが二支店をそちらに差し出す書面を……確認のうえ、サインを頂けますか?」

 貝原オーナーは目を血走らせ確認している。オーナーにとって額面上は美味しい話だ。だが、スワン本体は渡さないと言っているのだが、意に介していないようだった。

「おそらく、このサムエルグループの買収金額はそちらがスワンを救ったときの1.5倍にはなるでしょう。しかも、お土産に二支店がつく。スワンのことを救ったことで御上の覚えもめでたいニューレジェンドです。今後はスワンを忘れてやってください」

「まあ……よかろう。所詮、彼女がうちに来ればそんなのはあとからどうとでもなる」

 貝原は意気揚々とサインをした。確認した鷹也は息をふっと吐くと、目の前の最終目的に目を移した。