迷路の先には君がいた


 鷹也はちろりと私を見ると微笑んだ。繁は息をのんだ。

「おい、鷹也!そんなことしてもらわなくてもこちらではわかる」

「いや、そちらではわかっても私はわからない。ごまかされても困るんでね。それに、そちらのスワンのオーナーも知りたいんじゃないかな。ずっとこちらに監禁されていたようですからね」

「中田君。口が過ぎるようだ。スワンを救ったのは私達だよ。君にそんな口を利く権利はないがね」

「もちろんです。ご不快に感じられたなら大変申し訳ございません。まだまだ未熟でお恥ずかしい限りです。貝原オーナーを見習って、私も困っている他のホテルグループを助けられるくらいになりたいものです」

「……」

 芙蓉は滑らかな鷹也節を久しぶりに聞いた。