視える私の見える好き


「はぁ!?一致してない!?てめぇふざけてんのか?この女は俺が居ないと駄目なんだよ!」


テーブル越しに怒鳴り散らす男性の横で、震えている女性の姿。
彼女の手首には隠しても隠しきれない痣が見えていた。


「言葉通りです。お引き取り下さい。あと、そちらの女性はこちらで保護をさせて頂きます。」
「はぁ!?ふざけんなよ!そんなこと出来るわけ……っ!」

男性の言葉がピタリと止まる。それもその筈、男性の後ろにはいつの間にか背後にいた強面の双子達が、無言で男性を見つめ、私が座っていた後ろの壁のドアがゆっくりと開くと、


「誰に向かって口聞いてんの?弱い者にしか手を出せないクソヤロウがよ。」

前髪があの時よりもスッキリと短くなり、眉をしかめながら強い口調で話すその悠紀くんの姿は男性には怖すぎるのか、涙を浮かべながら固まっている。

男性はそのまま双子達に外に連れ出され、状況が理解出来ない女性に優しく声をかける。

「もう大丈夫ですよ。」

紫色のベールに包まれた占い師の言葉に、ようやく安堵したのか泣きながらお礼を言われる。




占い師は私。
新しく建てた占いの館【パープル】は、Y地区で前田さんが無償で建ててくれたもの。

恋占いは勿論だが、こうして暴力を受けていそうな人を匿う(かくま)仕事も極秘でしている。

Y地区で居場所が無い人達の為のシェルターを作り、どんな人でも助けてあげられるようにと。
Y地区の皆で決めた、新しい仕事と両立でパープルを再開した。

「小春、俺何回聞いても慣れないわ。お前に何か言われるの聞くと、ムカついて殴りそうになるよ。」
「慣れてくれないと、双子達に仕事を取られるよ。」
「それはやだ。お前の一番側にいるのは俺が良い。」