視える私の見える好き


突然過ぎて、眼鏡が悠紀くんの胸の中で、ズレているのがわかるがそれ以外のことは全く理解出来ない。

どうして?なんで?

なんで私は悠紀くんに抱き締められてるの?


「何で言ってくんねーの?俺のこと好きって。」
「……っ!!」
「周りからばっかり聞かされて、小春の口から聞いてねぇ。しまいには二度と会えない素振りされるし、意味わかんねぇ。」
「……だって。私なんか。」


抱き合ってる私達を見たゆうまが、あ!っと叫んで勇太郎さん達に口と身体を塞がれている。


「……私、可愛くないし、悠紀くんに…釣り合わないから。迷惑……かけたくないから…。」


抱き締められてるせいで、緊張して恥ずかしい筈なのに、本音がポロポロと出てしまう。

だけど、嬉しくて。
だけど、こんなことされる理由なんて無くて。

戸惑うのは当然のことなのに。


「俺がY地区の人間だから怖い?」
「っ!!それは無い!」
「学校行ってなくて、喧嘩ばっかりしてた俺のこと怖い?」
「……それは怖い。」
「あ、質問が悪かった。でも俺、馬鹿だから。ハッキリ聞くけど俺のこと好き?」


抱き締められて、見える彼の胸元。
私と同じ運命の証が重なり合って大きな光を包み込む。


「……ごめんなさい。好きです。好きになってごめんなさい。」
「どんな告白それ!?」


思わず吹き出した悠紀くんが、私のズレた眼鏡を直してくれて、長い前髪から見える優しい目。


「見えてるんだろ?小春には。運命のなんとかって奴。」
「……はい。気持ち悪いですよね。」
「俺と小春が運命のなんとかが一致してるってことで間違いないよね?」
「……そうです、すみません。」
「じゃあ俺の気のせいじゃなかったわ。」