視える私の見える好き


「ワーハッハ!!いやいや、まるでお姫様だな小春ちゃん。」

前田さんのお祖父さんの笑い声に、殺伐(さつばつ)とした雰囲気が一瞬和らぐ。

「前田会長、娘の件はこちらで必ず罰しますので、今日はこの辺で……。」
「ぱ、パパぁ?」
「うるさい!親子の縁はもう無いと思え。行くぞ!」


腕を引っ張られながら、高級車に戻っていく美那の親子。そして、タイヤが擦りきれるくらいの音を出しながら、猛スピードでこの場から去っていった。

残された前田さんと、前田さんのお祖父さんも車に乗ろうとしていたので、皆をかき分けて急いでお礼を言う。

「前田さん…協力してくれて有り難うございました。」
「いえいえ、僕は何もしてませんよ。僕も小春さんに出会えたからこそ、進むべき道が決まって逆にお礼を言わせてもらいます。」

前田さんとお互いお礼を言い合っていると、前田さんのお祖父さんが声をかけてくれる。

「小春さん、大切な人達が沢山いて素晴らしいことだね。Y地区はもう少し住みやすいように僕も考えてみるよ。会社を引退して暇なんだ。ワーハッハ!」

フフッとつられて笑うと、お祖父さんが少し照れ臭そうに私に質問をする。

「君には運命の証という文字が見えるらしいんだけど、それは僕にもあるのかな?」

そう聞く胸元に浮かび上がる文字は、綺麗な黄金色のような光を放っている。

「はい。見えております。そして、しっかりと運命の相手と結ばれております。」

何故だか分からないが、運命の文字の光の変化が、いつの間にか分かるようになっていた。

「ワーハッハ!婆さん以外良い女は居ないからな。」
「会長、そろそろ戻りますよ。」

前田さんが、腕時計の時刻を見て、少し急かすようにお祖父さんに声をかける。