全員の鼓膜が破れるんじゃないかと思う程の怒鳴り声に、一番近くで聞いていた美那は肩をビクッとさせて驚く。
「俺の会社で好き勝手しやがって!!お前のせいで何百といる社員がボイコットするって大騒ぎしてんだぞ!!」
「は、はぁ?私はパパの娘よ?社長の娘が偉いのは当たり前じゃないのよ!!それにボイコットする社員なんて辞めさせれば良いでしょ!うちの会社に入りたい人間なんて腐るほどいるんだから。」
「何寝惚けたことを話してるんだ!!あと、うちの会社なんて前田グループの足元にも及ばないんだぞ!!ここまで馬鹿だと現実も見えないのか!!」
親子の会話に周りは唖然としているが、あまりにも収まらない状況に前田さんが声をかける。
「申し訳ないのですが、お説教はあとにして、話を進めて良いでしょうか。」
「は、はい。前田さん申し訳ないです。」
美那の父親が深々と頭を下げている横で、ふてぶてしい態度をとる美那。
「えーと、先ず。先ほど社長にお話した通り、婚約は破棄させて頂きます。」
「は!?前田さん!どういうこと!?」
「黙って聞いとけ馬鹿娘!」
勇太郎さんと勇次郎さんが、ザマァみろと言わんばかりに口を押さえて笑うのを我慢していた。
私は二人に、口を膨らませながら、駄目ですよと目線で注意をする。
「あと、会長に確認してみた所、ここのY地区の開発も無効になってます。元々は美那さんの独断ですので、様々な関係者には白紙に戻すように呼びかけました。」
「は、はぁ??!こんなゴミ地区よりリゾート地にした方が良いに決まってるのに、ボケたわけ!?前田会長!」
「馬鹿娘…「ゴミ地区?」
美那の父親が、青筋を立てながら思わず手が出そうになる所を、前田さんのお祖父さんが口を開く。


