「止めて!!」
頭と心より先に、思わず身体を先に出してしまい、ゆうまに駆け寄ってしまう。
「……は、はぁ?何でお前が。」
「何このブス。仲間?おいブス、お前もゴミにしてやろうか?」
手をボキッと鳴らせながら私に向かって笑ってくる男達に、「ゆうまに手を出さないで!」と、大きな声を出して男達からゆうまを守る。
相手は三人。
かたやこっちは怪我だらけのゆうまに、震えている太った男の子。そして私。
勝ち目なんてあるわけない。だけど放っておけない。
もうどうにでもなれ!と、倒れているゆうまの身体に手を回しながら、歯をくいしばって相手の男達を睨み続ける。
「そこまでだな。」
その声に全員振り向くと、マスターさんが甚平姿でタバコを吸いながら、右手にビール瓶を持って立っていた。
「それ以上ここの人間に手を出したら俺も参戦するよ?勿論この状況は不利だから、道具使うけど良いよね?ん?ビール瓶と頭って、どっちが固いと思う?」
口調は穏やかに話すが、今まで見たことが無いマスターさんの鋭い目線に、味方の筈なのに背筋がゾクッと震えてしまう。
それはゆうまも、太った男の子も、そして向こうの男達も同じのようで、「ダルッ」と唾を吐きながらこの場から離れていった。
「大丈夫か?小春ちゃん。」
「……マスターさん。」
久しぶりに会うマスターさんの顔を見て、急に腰が抜けたかのように動けず、倒れているゆうまの身体に寄りかかってしまう。
「いてーって!馬鹿!」
「……かった。」
「は??」
ゆうまがゆっくりと身体を起こし、私の放った小さな声に耳を傾ける。
「無事で良かった……。」


