視える私の見える好き


止めたくても止まらない涙が、どんどん頬をつたって足元に落ちる。

こんなに泣いた事はきっと、今までで初めてかもしれない。


既に遠くに歩いて行ってしまった彼らの姿に、悠紀くんの背中に、苦しくて、悔しくて、切なくて。

好きじゃなくなる方法があるなら教えて欲しい。
好きだから傷ついたし、好きだからこんなに辛いんだよ。

伝わる筈ない想いを心の中で何度も唱える。

好きになってごめんなさい。

運命の相手、私でごめんなさい。

この定められた文字、譲れるものならきっと誰かに譲った方が彼の為になるだろう。

……私なんかで、本当にごめんなさい悠紀くん。


焼け焦げたお店を後に、これからの事を何も考えられず歩き出す。そして連絡の取れない双子達、ゆうま。


私はもう居場所が無い。


友達が居なくて、増えて嬉しかった家族以外の連絡先。

私と関わると不幸になるのかな。

それはまるで、美那のような運命の証が無い人達みたいだね。もしかしたら、私の浮かび上がるこの文字も幻なのかな。それなら納得がいくよ、何もかも。


夏は日が落ちるのが遅い。

夕方の時刻でも空はまだ明るく、相変わらずX街では人も沢山歩いている。

こんなに泣いて歩いていても、誰も私に声をかける人は一人も居ない。

私なんて



私なんて……。



そう思っていても、ごめん私。やっぱり悔しいんだ。
優しい双子達に迷惑をかけた事。絶対このままにさせるもんか。

誤解のまま拒否して、大人になんてさせるものか、14歳のゆうま。


私と同じ、胸の証が一緒の悠紀くん。ごめんね、私何だかしつこいみたい。



「すいません、早速ですが協力して頂きたいことがあるんです。」