視える私の見える好き


嵐のような時間だった。

ライバルだと思っていた悠紀くんの好きな人は、結婚を控えてる人らしい。

ただ、あの感じだと男性はきっと婚約破棄をするだろう。

そうしたら、今度は本当に悠紀くんと付き合ってしまうのかな。だけど前に勇太郎さん達が、私達の年齢に本気で相手にするような人物ではないと、話していた事が実感した。

……じゃあ何で悠紀くんに。
そして悠紀くんも、何で美那みたいな女性に。

「小春お嬢、さっきカッコ良かったですよ。」
「あぁ。痺れたぜ!強くなったな小春お嬢。」

二人が私を見て微笑んでくれる。
私は彼らにどれ程救われたのだろうか。

Y地区の人間に関わると、ロクな事が無いと決めつけていたX街の勝手な偏見に、腹立たしくなる。

でも正直私もその一人だっただろう。
Y地区に入る前に、洗脳のように言われ続けてきたY地区へのイメージを信じてきてしまった。

でも私はもう流されない。

私は自分の目で見て、自分の目で確かめていきたい。


「……お店明日から再開しましょうか。」
「「えっ!」」
「また三人で、この占いの館パープルを盛り上げていきましょうね。」
「「はいっ!!いつまでも小春お嬢をお守りします!」」」

二人の強面の顔から溢れそうな涙。あぁもう、なんて優しい人達なんだろう。
彼らに出会えて本当に良かった。

そんな幸せを感じた日からつかの間。



次の日学校が終わっていつもの通路で、お店に向かう。


だけどそこには……。

占いの館は火事で黒焦げになっており、鉄骨が剥き出しになった状態で、閉鎖のロープがぐるりと焼けた敷地を囲っていた。



……ど、どういうこと。

一体何が……。

それもその筈、二人からの連絡は私の携帯には一つも入っておらず、ただただ焦げた臭いが充満された店の前で、私は立ち尽くすしか術は無かった。